施工事例

「わび」「さび」を大切にした、茶室がある住まい

表千家の教授者であるオーナー様との出会いは当社の住宅展示会。構想を練られた展開図を持参され、「茶室を作るために家を建てたい」とのご依頼でした。茶室は設計、施工ともに容易ではないことから、数社からすでにお断りをいただいたとのこと。当社としても何とかお力になりたく、茶の湯を勉強させていただきながらの施工となりました。

こちらを手掛けたこの道40年以上の大工棟梁、原田末吉(65)はこう話しています。「これまで10数件手掛けたけど、ここまで細部にこだわったのは初めてのこと。天井部が低く目視できるので、ボロがあるとすぐ目につくから特に気を使った。自分はオーナーさんに感謝したい。今まで大工をやってきて、この仕事ができたのは幸せなこと、これは巡り合いだった」。オーナー様とので出会いに感謝しておりました。

住まいの中の小さな宇宙

天井には美意識の表現とされる「真・行・草」の世界が取り入れられており、薄い板を編んだ網代(あじろ)天井にしたり、北山杉の磨き丸太を化粧母屋にするなど、数種の木材を使用しています。オーナー様のこだわりが随所に散りばめられた思い入れの深い茶室となりました。

茶の湯の道具を整えるための「水屋」は、住まいで言えば台所にあたる場所です。両脇には茶道具を収納できるスペースが設けられています。

かがみこんでやっと人ひとりが入れるほどの大きさの「にじり口」。こちらの出入口は日常と非日常を分けるという意味合いがあるそうです。にじり口へは、お住まいの玄関わきから入り込めるように設計されています。

当社にとっても貴重な経験

茶室の竣工にいたっては、居住空間の完成から遅れること3か月後。こだわりの素材を取り寄せながらの施工となりました。
オーナー様より「茶室について一緒に勉強してくれた姿勢が、大変嬉しかった」とのお言葉を頂戴しました。いつか恩師をお呼びして恩返ししたいとのこと。「茶室のある家」のお手伝いできたこと、当社としても大変嬉しく感じております。